武尊山 武尊牧場コース(07.08.05)
◎2007年8月5日(日)天気:曇り時々晴、一時雷雨
◎武尊山:2158m(標高差:679m、歩行距離:14.0km)
◎コースタイム(行動時間:7時間35分)
武尊牧場駐車場(05:50)⇒東俣駐車場分岐(06:15)⇒登山口(06:25)⇒田代湿原分岐(07:00)⇒武尊避難小屋(07:30)⇒セビオス岳(08:20)⇒鎖場(09:20)⇒中ノ岳分岐(09:50)⇒水場(10:00)⇒武尊山山頂(10:40~11:00)⇒水場(11:40)⇒中ノ岳分岐(11:45)⇒鎖場(12:05)⇒セビオス岳(12:40)⇒武尊避難小屋(13:30)⇒田代湿原分岐(13:50)⇒登山口(14:20)
※コースタイムは休憩等を含んでおり個人差が大きく参考にはなりません…
今年は梅雨明けが遅く、また、週末になると天気が崩れてしまい、前回の浅間山以降は中々出かけることが出来ませんでした。その後、7月末になってようやく梅雨が明けそうな気配であり、満を持して3週間ぶりの山歩きに出かけることにしました。
しかし、7月末になると台風5号の発生が伝えられ、幸いに関東地方への接近は免れそうですが、今度の週末の天気は微妙な状況になっていました。
こんな天気予報もあって、当日の天気が良さそうなら武尊山に登り、雨が降っていれば尾瀬に向かうことにしました。
上州武尊山は100名山の一つであり、ネットやガイドブックで色々と調べ、雨の時は簡単に尾瀬に行けるよう東俣コースから登ることにしました。
※画像をクリックすると大きくなります…
当日は午前3時半過ぎに起床…、山道具を車に積む時に空を見上げると、月が出て星も瞬いていて、天気は何とか持ちそうな感じでした。
自宅を出てIC手前のコンビニで食料を調達(行動食はパンを中心にチョイス…)しましたが、その後コンビニの兄さんと話し込んでしまい、高速の前橋ICに乗ったのが4時を過ぎて深夜割引がもらえませんでした。…(-_-;)
沼田ICで高速を降り、国道120号線を鎌田方面に向かいます。途中で見えた武尊山には山頂付近に雲がかかるものの、登山には問題ないと思って武尊山に登ることにしました。
流石にこの時間は車の通行が少なく、予定の時間より早く国道120号線から武尊方面の県道に入ることが出来ました。(ここまでは順調だったのですが…)
しかし武尊牧場手前で東俣コースの林道分岐に着いて見ると、林道の入口で通行止めとなっているのです。
今日は林道終点の東俣駐車場から歩く予定でしたが、林道終点まで行けないとなると武尊牧場(マップコード:540 473 015)の夏山リフトを利用するか、牧場の中を1時間ほど歩いて登山口まで行かなくてはなりません。
初めは登山者をリフトに乗せるための通行止めかと思いましたが、落石による通行止めのようで仕方なく武尊牧場に行って見ることにしました。
駐車場に車を停めてリフト乗り場に行って見ると、乗り場の前には女の人が立っており、初めは牧場の関係者なのかと思って地元の人ですか?…と尋ねると、自分と同じくリフトの様子を見に来た人でした。
リフト券売り場やレストハウスなどに人影はなく、リフトの運行時間の表示もありません。
駐車場に戻ってみると隣は先ほどの女の人が乗って来た車で、千葉県からの夫婦連れの登山者でした。
リフトは何時頃から動きますかね?…などと言葉を交わしますが、良い思案が浮ぶ訳でもありません。
しばらくすると1台の車が登って来ると、入口のクサリを外し牧場に入って行くのを見て、地元の人たちは良いなぁーと思いましたが、仕方ないことでこれからどうするか決めなくてはなりません。
現在、5時半過ぎですがリフトが動くのは早くて7時半であり、これから2時間も待っているのは大変なことです。
地図を見ると東俣駐車場から登山口までは20分、牧場の中を歩いて行くと50分となっており、30分ほど余分に歩けば何とかなると考え駐車場から歩くことにしました。
隣の人たちも同様に考えたらしく、朝食の支度など出かける準備を始めるようでした。
支度を終えて牧場の柵沿いの登山道を登って行きますが、直ぐに牧場内の舗装された車道に出ます。
遥か山の上に続くリフトの鉄塔を眺め、あそこまで歩くのかぁ~とため息を付きながら15分ほどトボトボと歩いた頃でした。
後ろから軽トラックが走って来ると、荷台に乗っていた人が運転手に声をかけて停まってくれたのです。
当然乗せてもらうことにしましたが、親切な運転手は地元の人で帰りにはリフトに乗ってやってよ!…と言いながら車を発車させました。
荷台には夫婦連れと若い人の3人の登山者が乗っており、牧場の入口のところで軽トラに声をかけたら乗せてくれたとのことでした。
軽トラックは牧場内の急な坂道を走り、徒歩50分のところを10分ほどで登山口近くの東俣分岐に到着しましたが、これを歩いて登るのは大変なことでした。
軽トラックは牧場内のキャンプ場に向かう途中だったようで、運転手にお礼を言いながら人の親切の有り難さを改めて噛みしめました。
道路脇の案内図を確認して歩き始めましたが、同乗していた3人はベテランらしく若い人には直ぐに置いて行かれ、自分と同じく高崎から来たと言う夫婦連れとはダブルストックは疲れが違いますよ…などと言葉を交わしている内に置いて行かれました。
登山口の直ぐ手前には3台の車が停まっており、横目で見ながら入口の箱に登山カードを入れて歩き始めます。
初めは登山道とは言えない林間の遊歩道で、途中に「眠る男」の撮影で使われた小さな池が残っていましたが、周囲の見通しもなく余り面白いコースではありません。
天気の方も一向に回復する様子はなく、武尊避難小屋に到着する頃には薄い霧が流れ始めていました。
この天気が続くのは嫌だなぁ~と思いながら50分ほど登ると、やがて森林帯が途切れて視界の開けた湿原に出てきました。
地図で確認するとセビオス岳と言うポイントのようで、壊れた方位板やベンチが置かれており、5人ほどのグループが休んでいました。
天気が回復しそうもないですねぇ…と言葉を交わしましたが、メンバー1人が少し疲れた様子でした。(このメグループと抜いたり抜かされたりしている内に顔見知りになり、これが最後に思いがけない形で返ってきました…)
自分もセビオス岳のベンチで一休みした後、再び展望のない尾根沿いの樹林帯を登って行きます。
霧がなければ周囲も見えて気分が大分違うのでしょうが、依然として周囲の視界がなく自分がどの辺りを歩いているのかも良く分かりません。
雨でぬかった登山道にゲンナリしながら40分ほど歩くと、ようやく視界の開けた尾根道となり、やがてガイドブックなどで紹介されているクサリ場となりました。
長短3本のクサリの付いた岩場でしたが、一番長いクサリが10mほどでそれほど難しい場所ではありませんが、注意するに越したことはありません。
クサリ場を通過すると高原状となった中ノ岳の巻き道となります。
最近は自分が登りに弱いことを自覚しており、登りではガイドブックのコースタイムの2割増しを目標としています。(心肺機能が弱い=長年のヘビー・スモーカーの関係か…?)
途中休憩を含め標準時間の45分オーバーで前武尊の分岐に到着しましたが、ここまで来れば山頂はもう間もなくとなります。
分岐を右手に進んでしばらく歩くと、やがて前方のササの斜面の向こうに武尊山の山頂が見えて来ました。
ここで若い人たちを中心にした5~6人のグループに抜かされますが、何と!リーダーが今朝の軽トラックを運転していた人でした。
リーダーのKさんは片品村のK酒店やトウモロコシ街道で売店を出しているとのことで、片品村遭難対策協議会のシャツを着ており近くに来たら寄ってくれと話していました。
Kさんは出来ればグループ登山の方が良い…と言っていましたが、自分が登るのが遅くグループに迷惑をかけるから…と言うと、自分も反省するところがあるがみんな歩くのが早過ぎる…と話していました。
笹清水(菩薩界の水)で水場の様子を見ているKさんに先行しましたが、山頂手前にある日本武尊像のピークのところにセビオス峠のメンバーが陣取っており、登って来た人たちに遅れているメンバーの様子を聞いていました。(自分の直ぐ後を歩いていました…)
山頂直下で軽トラックに同乗した3人と挨拶を交わし、登山口から約4時間15分、駐車場から約4時間50分で山頂に到着しましたが、流石に100名山で山頂では10数名の人たちが思い思いに休んでいました。
それぞれの会話の様子などから武尊牧場コースだけでなく、裏見の滝の藤原コースからもずい分多くの人たちが登っているようでした。
天気の方は相変わらずでガスが巻いて周囲の展望がなく、武尊山のそれぞれのピークが見える程度の状況でした。
梅雨明けのはっきりしない天気でしたが、山頂からの展望を期待していたこともあり少し残念な思いがしました。
記録の写真を撮り用意をしてきた食事を取って休憩しましたが、次回は展望の良い季節にコースを変えて登って見たいと思いました。(藤原コースも剣ヶ峰からのコースもどちらも最後の急登が厳しそうに見えました…)
午後からの天気が少し心配(雷雨の予報が出ていた…)なこともあり、20分ほど休憩すると山頂を後にすることにしました。
帰りの登山道を見渡すと日本武尊像のピークではセビオス峠のメンバーも下山を始めたようでした。
下山の途中から右足の登山靴(前回から登山靴を履き替えました…)の具合が悪く、2回ほど靴紐を結び直したこともあり、山頂から笹清水まで40分ほどかかって下りました。
笹清水まで下ると冷たい水で顔を洗うことにしましたが、大変気持ちが良く息を吹き返す思いがしました…。
さらに下って行くと途中で行き会う人たちから落石は大丈夫ですか?と聞かれ、何のことだろうと思っているとクサリ場の下で登山者が集まって何か騒いでいます。
話を聞いて見ると人の頭ほどの落石があったようで、幸い人身事故にならなかった様子でしたが、誰かに当たっていれば大変なことでした。(自分の拙い経験からも岩場で前後に人がいる時は、前後の間隔を置くなど特に注意が必要と感じています。)
このクサリ場でも遭対協のKさんが色々と面倒を見ていたようでしたが、大変なご苦労に頭が下がりました。
クサリ場を通過し樹林帯を抜けてセビオス岳まで下って来ると、ここで例の5人グループが休んでおりトマトを食べて行きなよ…、キュウリもあるよ…と声を掛けてくれ、丁度喉が渇いていたこともあって、有り難く頂戴して一休みすることにしました。
ここで休んでいる時に色々山登りの話などをしましたが、この人たちは地元に住んでいるグループであり、朝方、牧場のゲートを開けて中に入った車に乗っていた人たちであることが分かりました。
一休みを終えるとさらに色々と話をしながら下りましたが、山好きだった元メンバーが亡くなりその供養のために登って来たと話していました。
ぬかるんだ登山道をさらに下り、武尊避難小屋で一休みをしていると心配していた雨がポツポツ落ち始めましたが、グループの中に雨具の準備のない人もいるらしく、樹林帯の中を先を急いで下って行きました。
自分は用意していた傘を差して下って行きましたが、遠くでは雷の音も聞こえており雷が鳴る中で果たしてリフトは動くのだろうかと心配していました。
やがて田代湿原の分岐を過ぎる頃には小雨となり、眠る男の池まで来ると5人グループが休んでいて、自分を待っていてくれたかのように歩き始めました。
ようようの思いで登山口まで戻ると、5人の人たちが車に荷物を積んでいて下まで乗って行きなよ…と声を掛けてくれたのです。
この雨の中をリフトで下ることを思えば、本当に有り難いことで牧場下の駐車場まで便乗させてもらうことになりました。
申し訳ないことにメンバーの連絡先を聞き忘れてしまいましたが、別れ際のまた、一緒に山に登りましょう…の言葉どおり、どこかの山で行き会いたいと思いました。
例の如く、帰りに日帰り温泉の「ささの湯」に寄って汗を流して帰宅しましたが、行き帰りに人に助けてもらうことになり、大変に思い出深い山歩きの一日となりました。
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